退院(卒院?)しました
えっこれでようやくスタートラインなんですか? わし今年28になるんですよ? 弱いしコンティニュー……
あらすじ:高専の本科と専攻科を出て、大学院の修士課程と博士課程を出ました。この怪文書では大学院の感想を書いていきます。書きたくて書いているため、内容をきれいにまとめる気持ちやわかりやすく読ませる気持ちはひとつもありません。
入院の理由
行けるところまで行ってみたかったから。博士号取得者から「少なくとも修士課程まで進んでみよ」と言われたから。卓越大学院プログラムに加入することができ、授業料減免などの経済的援助を受けられたから。
完走した感想ですが、
非常に運が良かったです。
研究テーマの運
自分が入学した年から、ある大きなプロジェクトに研究室が参加することになっていたため、解くべき課題やその社会的意義がそのプロジェクトの一部として既に存在していました。「こんなものがあればいいよね」という完成形をざっくり絵で描けるくらいには具体的で、あとは細部を詰めていけばよい状態でした。
細部のひとつとして、当初の予定では何らかの深層学習モデル(具体的には、対話テキストを入力してその要約を指定の形式で生成するもの)を大量のデータで学習する必要がありました。しかし、修士課程2年目にChatGPTが爆誕し、やりたかったことをごく少量のデータで実現できることが分かりました。そのため、研究の主軸は「どうやって要約を生成すべきか?」ではなく、「どんな要約が適切か?」を人手評価や実証実験により明らかにしていく方向にシフトしました。
自然言語処理分野の研究をしている学生にとって、ChatGPTの影響は良くも悪くもすさまじかったと思います。良かった点は、実装の手間が省け、実装→人手評価→解釈→また実装→……のサイクルを高速に回すことができたことでしょう。悪かった点は、もしモデルの構築方法の確立そのものを研究テーマとしていた場合、これまでの全ての作業がおじゃんになってしまうことでしょうか(実際のところ完全におじゃんではないと思うけど、気持ち的にはおじゃんでしょう)。
経済的な運
修士課程入学と同時に、卓越大学院プログラム(のちに次世代研究者挑戦的研究プログラム)に加入することができ、経済的援助を受けることができました。このプログラムでは月に18万円程度と年にいくらかの研究資金がもらえます。貯金を切り崩して生活する覚悟を決めており、残高が○○円を下回ったら大学院を辞めるつもりでいましたが、そうなりませんでした。
研究室の運
人生捧げて研究するにはこれ以上ないであろう環境でした。先生は絶対に壊れない車輪を持つ止まらない列車でした。締め切り前には、信じられないくらい論文執筆がへたくそなわし vs それでも熱心に添削してくれる先生 の終わらないほこたてバトルが繰り広げられていました。
研究室では多くのチャンスが与えられ、自分は誰からも舐められたくなくてそのチャンスをできるだけ多く拾いたくて、可能な限りyesと答え続けました。少し頑丈になったように思います。
また優秀な後輩がいたことも精神的な支えとなっていました。
ジャーナルの運
自分が所属する研究科ではジャーナル2本が修了要件でした。3月に修了するためには10月中旬時点で2本目の通る見込みがあることが必須なのですが、2本目の結果通知(初回)が来たのが10月初旬でした。崖っぷちで助かりました。
進路
自分が研究に向いていないことを強く自覚したので、一旦は企業の開発部門で内定をもらいましたが、紆余曲折あって別の会社の研究部門で働くことになりました。
おわりに
博士課程の3年間でつけていた日記から、当時の様子がわかるものを時系列で載せて終わります。
- 博士課程やめるタイミング、どこ……? ここ……?
- 家で飯作ってたほうが余程人の役には立てるぜ
- 博士号取った人のことを「一度てっぺんを見た者」って表現しててすごく良かった
- 役員面接のフィードバックが「話し方はおっとりしているが(ここに褒め言葉)」みたいな感じで、おっとりした喋り方はsageなんだ……と思うなど
- 給与は○○社のほうが高い、面白さは○○のほうが高い
- きょう(2月15日)同期から「Anywhere on Earthだから……」ってチョコもらった 言い訳が良すぎる
- 女性研究者座談会っちゅうやつをやってきた。○○○○になって子供産み育てようと思ったら環境ガチャによっては詰みとか、結局○○○○○○○○が最強とか、学生のうちに出産育児すると授業料がゼロになってお得とか(人生ハック感ある)、学会の廊下じゃ絶対聞けないような話が聞けてよかった。
- 春の陽気がうれしくて、自転車の泥除けが絶望的に歪んでるのを直しに行った
- 研究向いてないかどうかを判断できずにズルズル学生をやっている
- また言いくるめられて博士課程やめるの保留になってしまった……(n敗目)
- 吉良吉影から殺人を抜いた生活をやりたい
- 昨晩急に腹を壊して以来お腹がポコポコいうのが止まらん 当方パーカッション
- 論文の執筆について、物語の流れを作るのに苦手があるんだね……という評価をもらった。物語の流れ、何も理解していない。ライバルが仲間になるという点だけを見て興奮している。
- 熱っぽいな (feat. yamasy)
- ウワーンドラえも~ん! 有意差が出ないよ〜〜!
- 雑用大好き雑用マン!になってる
- ロボと喋る一般人を無限に眺めるモードに突入。これやってるときが一番、生を実感できる
- ここ2ヶ月くらい研究室の片付け人(かたづけんちゅ)をやっている 苦でないし楽しいという点で研究より遥かに向いている
- 昨日ステーキ食っただけでしんどい 老いていく こころもからだも……
- 労働条件通知書の右上に馬主の名前書いてあるのめっちゃいい
- 包んで包んで、包みまくりましょう(引っ越しのレヴュースタァライト)
- 豚のしゃっくり ピッグ
- 質疑応答って、楽しい! 𝑪𝑨𝑵𝑴𝑨𝑲𝑬 𝑻𝑶𝑲𝒀𝑶
- 研究者としては向いてないけどバーサーカーになってがんばりました
- ぐぅ〜〜〜ん
- ゲロンチョ!
- もっと人間を正確にエミュレートできるようになる必要がある
次は「大学院生活で助けられたもの100選」を書きたいね。
アカデミックガウンをつくった
正規の45,000円/着が払えないのでつくりました。
説明はいいから完成品を見せろ


ちなみに正規品はこれ↓ dolcevitay.exblog.jp
緑はスリザリン大学(所属する大学)のテーマカラーです。このスリザリン、やけに地元企業への就職が多いですね?
買ったもの
- ガウン本体(黒)
- https://www.amazon.co.jp/dp/B00R9EZVRC
- 正規ガウンのシルエットによく似たものを選んだ
- フード本体(黒ベースに緑と黄)
- https://www.amazon.co.jp/dp/B0BF56115X
- 正規フードの色によく似たものを選んだ
- クラッシュベロア(緑)
- 1mくらい。ガウンとフードの緑の部分用
- 光の反射でよく光って見えるように、毛がみっちり詰まって重厚感のあるタイプのベロアじゃなくて、ちょっとテロンとしたベロアを選んだ
- 接着芯地
- ベロアの裏に貼る用。貼らないと濡れた犬みたいになる
参考までに、購入した値段は10,000円ほどでした。フードが半分くらいした。
作り方
型紙
世の中にはアカデミックガウンの型紙フリー素材は存在しません。だから出来合いのガウンとフードを買う必要があったんですね。
ガウン
出来合いのガウンに、両袖の3本ラインと前身頃の縦太ラインを追加しました。両袖の3本ラインは、正規品の写真を見て、両端をくの字にしました。長さと幅は、実際に布をガウンに当てつつ適当に。布の端を1cmぐらい折って、ガウンの上から直接縫いつけていきました。袖の長さが正規品と異なるので、3本ラインの配置が難しかったです。前身頃の縦太ラインは、ガウンが前開きでジッパーがついているので、左右対称に2つ用意しました。幅は写真を見つつ適当に。襟元は映ってないですがV字ネックになっているので、同じ幅で襟元の形に沿わせつつ、最後は半分くらいの幅にして後ろ身頃の方とつなげました。

フード
出来合いのフード↓は緑感が強すぎる+黄色のラインが入ってるので、それらを外してから、同じサイズのベロアを縫いつけました。

おまけ
生協で大学ロゴのピンバッジが売られていたので、背中につけてみました。販売する気はないので許してください。
作ってみて
- ぱっと見悪くないのでは? とはいえ、実物の正規品を見る機会がなくネット上の写真を頼りに作ったので、若干違う点が残っているのが悔しい
- いつもなら「コスパを考えるなら正規品(コスプレ服)を買ったほうが絶対にいい」と書くところですが、今回はさすがに自分で作ったほうがコスパはいいです
- (正規品の申し込み締切は11月ですが、3月修了の学生の多くは11月に修了確定していないと思うので、よほどの自信家でないと締切までに買えないのでは?)
高校も大学も行ってないけど入院します
2年間の専攻科課程を卒業し、7年間にわたる長い高専生活を終えました。ちなみに、専攻科は卒業ではなく修了らしい? 知らんな。
学校への要望は授業アンケート等に書いたり納得したり諦めたりして解決済みなので、このエントリにそういうことは書きません。
本科課程についてはこの記事が詳しいぞ yamasy1549.hateblo.jp yamasy1549.hateblo.jp
専攻科について
授業
自分の通っていた専攻科では、本科の機械+電気情報と都市+建築がそれぞれひとつの専攻に合併されています。そのため、本科で専門としてきた分野とは違う分野の授業もそこそこあります。素人も受ける授業なので、内容はそこそこ基本的なものです。こんなときでもないと他分野の基礎を知れないので良い機会でした。ただし、興味がないとさっぱりついていけず、単位を取るための苦行になります。
一応単位制をとっていますがあまり選択肢はなく、だいたいみんな似た授業を受けています。そもそも専攻科にかけるコストが小さそうな印象があります。
研究
基本的には本科のとき所属していた研究室に引き続き所属します。たまに変える人もいます。明文化されていないのですが、学会なり研究会なりで原稿を書いて発表するのがノルマになっているそうです。
自分の場合は少しイレギュラーで、もともとの指導教員が他大学へ移ってしまったので、他大学の指導教員(1)に全ての面倒を見てもらいつつ高専の指導教員(2)に研究計画を出して単位をもらっていました。単純に指導教員チェックの時間が2倍必要だったり、ボランティアで見てくれている指導教員(1)に応えたかったので多少精神に負担をかけて頑張ったり、バタバタすることもありましたが、所属が変わっても指導を続けてくれた指導教員(1)と分野が違うにもかかわらず卒業させてくれた指導教員(2)には頭が上がりません。
専攻科在学中は主著で国際会議にaccepted/rejected各1つ(レベルのほどは聞かないでください……)、国内学会に2つ、研究会に1つ出しました。1年目の夏にはIBMの東京基礎研究所へインターンシップに行かせてもらいました。2ヶ月という期間はかなり短くて成果もあまりなかったのですが、少しは研究適性があるかもしれないと気づけたのは大きな収穫でした。ここでメンターが所見に書いてくれた「少なくとも修士まで進まれることを望みます」というメッセージが院進の決め手だったりします。
得たもの、あるいは成長したこと
興味のある話をできる相手が身近におらず、毎日「院に行けばラクになる」と唱え続けた2年間でした。忍耐力は多少ついたと思います。1つ上の先輩が1人いて、後輩はいなくて、最後の1年は研究室に所属している学生が自分だけという状態でした。一応指導教員(1)の大学のゼミ生と交流はありましたが、卒業後も研究をやりたいわけではなさそうだったのでノーカンです。指導教員(1)以外に研究の話をしたり進捗を煽ったりする仲間がいなくて本当につらかったです。よく卒業できたと思います。
あとはデバフ状態から回復するためのリハビリとして少しずつ人間との会話をやっていました。全く喋れなくなった2年前よりは断然喋れるようになったと思います。
あれ? 忍耐力とか社交性って別に専攻科じゃなくても得られたんじゃね? う〜ん……
進路
タイトル通りトーカイチホーにある大学院に行きます。せっかく入学できたのだし、行けるところまで行きたいので博士まで行きたいねって言ってます。数年後のやましーさんにご期待ください。院でもテキストとか性格とか感情とかそういう感じのことをする予定です。たのしみですね。学会等でまたお会いするであろう方は、今後ともぜひお手柔らかにおねがいします :pray:
院を出たあとは不安しかありません。俺は興味が生かせる研究をしたいし子供を生み育てもしたい、しかしどっちも全力でやるには身体が足りなすぎる。
おわりに
こいつ何も成長してないな?